28 ITエンジニアの現実的な最終到達地点はここ - 迷走企業のサラリーマンあるある

今回の記事は、若いITエンジニアがスキルアップするきっかけとなりうる話。

ただし、内容として「フレームワーク」なるプログラミング用語を用いた話になるので、もし読者がプログラミングを知らない場合はなんのことだかわかりにくいかもしれない。

では、さっそく話を始める。

以前、あるIT業界の重役と職場で世間話をしていたときの話。
ちなみに筆者はその会社を「迷走企業」の１つと心の中で位置づけている。

その重役が、思わず耳を疑う発言をし、メンタルにそこそこ自信がある筆者は衝撃を受けた。

「フレームワークはプログラマーのスキルを低下させる」
と吐き捨てるように言っていた。
理由を聞いて、さらに衝撃を受けた。
「フレームワークを使うとプログラマー１人ひとりのソースコード量が減るからスキルが向上しない」

これを聞いたとき、筆者はその重役の発した言葉の裏も読んだ。もしかしたら深い意味があるのではないか。まさかそこまで浅い思考の持ち主のわけがないと。

しかし、さりげなく深堀りして質問してみた結果、やはりその重役の発言はそのままの意味しかないことが判明した。

この発言がいかに愚かであるか、若いエンジニア読者たちはわかるだろうか。陳腐で浅はか過ぎる考え。

入社２、３年程度の若気の至り（乏しい経験と知識を引っ提げての知ったかぶり）なら、笑って聞き流せるが、いい歳の重役の発言である。

筆者の感覚では、これはしょうがない、無理もない、では済まない話である。
また、お世辞にも「それも一理はある」と済ませられもしない。一理すらない。

もし、これまで優れたフレームワークに出会えていなかったのならば、そういう考えにたどり着くのかもしれない。
しかし、そもそもその道のプロ集団を束ねる重役が、優れたフレームワークに出会えていない、という時点でプロとして終わっている。体たらく丸出しとしか言いようがない。

どれだけ終わっているかを、わかりやすく例えると、
スーパーで売っている100円のレトルトのパスタしか食べたことがない洋食屋のオーナーがいたとして
「パスタなんて不味くて売れないから作るな！」
と言っているようなものである。

とはいえ、若いエンジニア読者の中にもフレームワークの存在意義をよく理解できていない人もいるであろうから、ここでわかりやすく説明しておく。
これを機に学んでおくとよい。

存在意義、そもそもフレームワークはなぜ生み出されたか。

一言で説明するとこうである。
「プログラムの生産性を高めたい」
という開発者たちの願いを適えるため。

この目的のもと、腕自慢のエンジニアたちが試行錯誤で生み出してきたのだ。

さて、ここからがいよいよ核心部分に突入するので、若手エンジニアたちは、さらによく読んでもらいたい。
今回の記事で筆者が1番伝えたいポイントとなる。

「フレームワークはあなたでも作ることができる」

この意味が果たして誤解なく伝わっただろうか。

補足すると、フレームワークとは基本的には
現在の開発環境に対して何か特別なものを新たに購入して付加しないと作れないものではない
ということ。

もっとわかりやすく書くと、
あなたは時には開発効率（生産性）を高めるために共通処理を作る場合があるだろう。
その延長に位置するものがフレームワークだと考えてもいい。

Javaのフレームワークで例えれば
struts
spring
などいろいろあるが、基本的に中身はJava、Javascript、html、css、xmlなど、まさにあなたが商売道具として使っている言語で作られている。

ここまでくれば、何がポイントか見えてきただろうか。

もう１度、フレームワークが生み出された目的を書こう。
フレームワーク＝生産性を高めるための補助アイテム

要は
「エンジニアの最終的な到達地点は、自分で優れたフレームワークを作れるようになること」
と理解できればgoodである。

そうとわかれば、これからはフレームワークを他人事のように見るのはやめようと気づくはずである。
ライバルに先を越された、ちくしょう！
くらいに思わなければならない。

あなたは、ネットなどからサンプルソースを見つけだして、中身を解読して、それを真似て作って満足してやいないか。それで自分はプログラミングが上級者だと勘違いしてやいないか。

フレームワークは基本的にはソースコードを自由に見ることができる。よって
優れたフレームワークからは開発効率を高めるためのノウハウや知恵をいくらでも得ることができる。

仮にそのフレームワークが結果的に使いにくかったとしても、あなたが知らない、知って得するノウハウがたくさん詰まっている。

最後に。

上昇志向のあなたがもし迷走企業で悶々と働いていて、権力を握っている上層部が

「フレームワークはプログラマーのスキルを低下させる」
などと、あたかも真理をついたかの如く間抜けな顔で頓珍漢な発言を自信満々にしているようであれば、迷うことはない。

今すぐにそんな絶望的な上司がふんぞり返っている将来性のない会社からは逃げた方がいい。

あなたを歓迎してくれる優良企業は山ほどあるので、今すぐ転職すべし。

今の時代は「一歩を踏み出した者勝ち」であることを断言できる。

次の面白い記事はここから！
32「仕組み化」は「ルール化」の上位互換
https://hikarionpeace.hatenablog.com/entry/2020/10/18/165407