8 中田のキラーパス、あなたは賛成？反対？ - 迷走企業のサラリーマンあるある

「中田のキラーパス」という言葉が、一昔前によく使われていた。
私はサッカーに特別精通しているわけではないが、元一流サッカー選手だった中田○寿氏の高度なパス技術のことを指すことは知っている。

そのパスを簡単に説明すると、彼は"人"に向けてパスを出すのではなく、"場所（スペース）"に向けて出すのだという。
よってパスをもらう側としては、ボールを受け取るのではなく"取りにいく形"になる。

中田氏は一瞬一瞬における敵味方の状況、配置を読み取ることができて、さらにその状況下においてどこにパスを出すのが最適か、得点に繋がるかを瞬時に計算、分析し、そこに向けて的確なパスを繰り出す。

ただし、その常人離れした高度な判断力と技術から繰り出されるパスを、並大抵の選手では拾うことができず、なかなかパスが繋がらないこともしばしばあったのだという。

と、ここまでが私の「中田のキラーパス」に対する簡単な理解である。サッカーに精通している人が読んだら多少の（？）ツッコミが入るかもしれないが、この理解が概ね間違っていないことを前提として、以下、話を進めることとする。

「中田のキラーパス」も「サラリーマンあるある」である。
最近「テクハラ」というハラスメント用語が生まれたのをご存知だろうか。
職場において、能力に長けた人が劣っている人にメンタルアタックすることで、劣っている人に精神的苦痛を与えることだそうだ。たぶんテクニカルハラスメントの略だろう。
（テクハラについては別題として後日詳しく記事に上げる予定）

仕事においても、上司や同僚、パートナーから中田のキラーパスのように仕事を振られたらどうだろうか。
そのとおりに仕事をこなせれば確実に多大な利益を出すことができるが、こなせない場合は返って不利益になる。

おそらくこれは肯定派と否定派に割れる。

否定派の考え（1例）
キラーパスなど迷惑この上ない。やめてほしい。一般の職場には、そんな独りよがりなパスを受け取れるほどの非凡な人財はいないので結果的にはマイナスにしか作用しない。
もっと優しいソフトパスでコツコツと仕事をこなして、細く利益をだせればいい。

肯定派の考え（1例）
会社を発展させるにはキラーパスを出してくれる人財は必要不可欠。そして少しでもそのパスを受け取れる人財を育て、スキルの底上げを行うよう努めることこそ、会社として取り組むべき理想の姿勢である。

これは経営者それぞれの考え方によるので、正解、不正解の概念はないわけだが、私個人的に魅力を感じるのは後者（肯定派）である。

以上、仕事のあり方を考える上で、「中田のキラーパス」はなかなか使える題材かもしれない。
迷走企業を脱するヒントになれば幸いである。

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